賢明なる読者諸兄、本ブログの片隅に、ひっそりと存在し続けたこの不評極まりないコーナーをご存知だろうか。
私の履歴書~ファイター達の素顔~
※本連載は、普段筐体を通してしか対峙しない他のプレイヤー達の素顔について可能な限り迫る事を目的とする。それぞれの人生の中で、VFとの出会い、VFとは何か、VFを通して見えてきた人生観、それぞれの価値観を取材していく。現役で活躍するファイター達の熱き思想、哲学を真正面から受け止めていく。
知る人ぞ知るこの大不評のコーナーも、今回で5回を迎える。今回は連載第5回を記念し、とある人物の葛藤をそのまま諸君らへとお届けしたいと思う。
第5回 チャック全開君 (エルブレイズ・鷹嵐 十段)
HLS渋谷近辺に所在する、とある
隠れ家的大戸屋にて氏はおもむろに口を開いた。飲み干したビールの勢いも若干手伝っているのであろう。
「いやね、俺はもうVF1からずっと孤高の戦士なわけよ。」
少し饒舌になりすぎたのか、その語幹からはそこまでの重みを感じられない。しかし氏が背負う孤高のファイターとしての誇りには何の揺らぎもない事が次第に解って来る。
「俺は何つーの?いわばクラブ・モンスターだね。クラブが主食っつーの?週4でクラブ行ってたね、昔は。」
ここで賢明なる読者に念のため注意を促しておくと、決してこれは
CLUB SEGAの事ではないらしい。一見すると、何の関連性もない事をアピールしているかに聞こえる。が、注意深く聞いてみるとそれは全てVFに繋がっているのである。
「俺が許せないのはクラブの使い方間違ってる奴だね。俺なんかニューヨークにクラブ行くためだけに行ってるからね。」
しばらくクラブに対する熱い想いが語られ、筆者は想定外の説教をされてしまった。是非賢明なる読者諸兄も氏から説教を受けたければ、「Houseってテクノとかトランスとかの仲間でしょ?」と聞いてみる事をお薦めする。ちなみに筆者は「3回死んで出直せ」というお叱りを頂戴してしまった。ちなみに筆者がHipHopやR&Bのクラブが好きだという事を告げると、「どうせそうだろうと思ったよ」という至極投げやりな感想も頂戴してしまった事も追記しておこう。
「つまりね、ゲーセンていうのは戦場なんだよ。弱い奴が負ける、ただそれだけなんだよ。何でそこで敵とヘラヘラ話す必要があるんだ?」
ビールをもう一杯飲み干し、ますます調子付いたのか氏はこう続ける。
「特にね、ブログとかやっちゃってる奴いるじゃん、俺そいつら見つけたら必ずボコるからね。え?だって超ウケんじゃん、こいつらボコボコにされました~とかブログに書くのかなとか考えるだけで笑えんじゃん。」
戦場たるゲーセンでヘラヘラと話すばかりか、それを家に帰ってまでせっせと日記を更新する行為は、氏にとってみれば甚だ滑稽に写ったらしい。なるほど、そんなに尖っていた氏であるが、ここで氏が本ブログにてどのように登場したのかを振り返ってみたい。
--------------------------------------------------------------------------
Commented by
チャック全開(全壊)君 at 2008-08-14 10:39 x
HS渋谷にてブレイズで対戦させて頂きましたチャック全開(全壊)君です。林乱太さんのブログを最近見つけてプロレスって素晴らしいなぁと思いつつリンク先をウロついていたところ、ここを発見してしましました。
ちなみに崖上ぽにょさんと試合していた時間にはすでにツレとの待ち合わせ時間を過ぎており、あの後すぐに帰りました。
(ちなみにあの試合を録画してありました)
ブレイズは近距離メインのキャラだと思っています。中距離であてられる技はほとんどありません(43K+G→P+Gの打撃投げ、66Kぐらい)。
投げ方向は6方向あるのでせっせと近づいていくのが基本的な戦術です(距離離れるとやることなくなっちゃうので)。
サラで対戦するのなら中距離から66K+Gやなどでけん制し、近距離で2発目のKをガードされそうになったときにキャンセルして多彩なフラミンゴ技で翻弄してください。(4K+Gなんかもキャンセルからフラミンゴいけますよね?)
あと自分個人はディレイに弱いので、近距離になったら2P+KKをディレイで出してみてください。0.5秒後には宙に浮いています。
-------------------------------------------------------------------------
一体これはどういう事なのだろうか?明らかに今目の前で現在ヒレカツ定食の特盛り(しかもとろろご飯にしている)を平らげ、ビールを追加注文している男が書き込んだものとは思えない。仮に戦場で会う相手が全て敵だとするなら、およそこの書き込みとは矛盾しているのである。一体氏の中で何が起きたのだろうか。筆者は大変興味深く思い、さらにビールを追加し、その心境に探りを入れた。
「でもさ、オレ最近、気付いたんだよね。」
一体この誇り高き男が、何に気付いたのだろうか。筆者は次の瞬間、想定外の言葉が氏の口からこぼれた事に驚く。
「オレ、本当は寂しかったんだよね。」
ここから、筆者も予想だにしていなかった氏の葛藤が吐露されていったのであった。氏は涙を浮かべながら自らの体験を語ってくれたのであったが(とろろご飯の量が多すぎたため)、興奮のあまり話にまとまりがなかったので、ここに私が要約しよう。氏は最近、仕事の関係で地方に数ヶ月暮らしていた。地方のさらに地方なので当然、ゲーセンも1つしかなく、なんとそこには1台の筐体だけが存在し、毎夜のように固定メンバーが集まってきたのだという。氏も仕方なくそんなゲーセンに通う事となったのだが、当初は対戦する者は全て敵だと思っていた筈が、徐々に仲良くなってしまったのだという。ある者がプレイしているときはある者が見守り、そこにはたった1台の筐体を通して常にドラマがあり、笑いが絶えなかったという。。。そんな環境から一転して東京に戻った氏は、また当たり前のように孤高の戦士へと戻っていく。。。しかしながら、心に開いた穴を満たす事はできなかった。。。しかし東京のゲーセンで話しかけるなんてキモすぎる。やはり俺は永遠に孤高の戦士なのか・・・・!?最近はこのような葛藤に悩まされていたという。
最後に筆者は氏に対して、今後どうしていきたいのかを聞いてみた。
「みんなで何かやりたい、もうバーチャとかついででいいからさwww」
恐るべき男である。ここでもう一人、かつては氏と同じように孤高の戦士としてその雄叫びを周囲に轟かせていた男がいる。彼の名は
林乱太と言う。およそストイックにプレイし、戦場を行き抜いた男は今やVFの称号を目指すどころか、なんと
VF飲み会の永久幹事という称号を手に入れてしまったのである。しかも驚く程に彼は活き活きとしているのである。最近の浮付いた林氏の行動から、裏で
林ジェットフォイル先輩と呼ばれている事を彼は全くもって知らないであろう。ジェットフォイルというのは、天使のブラ氏等と新潟佐渡にジェンキンスさん巡業した際に乗った船の事であり、なんとこの船、船底に水中翼が着き、ジェットエンジンを搭載しており海面から浮かびあがりながら有り得ない高速度で移動する船なのである。最近の林氏の浮わついた有様がまさにこのジェットフォイルのようである、との事となりこのように呼ばれてしまっているのである。
しかしながら、林先輩がジェットフォイルのようになってしまう理由は私にはとてもよく解る。なぜなら、とてつもなく楽しいのである。VFをやる事はただでさえ楽しいにも関わらず、それを含めて色々な人とネタにできる。こんなに素晴らしい事はないのではないだろうか。また敢えていうなれば誰か一人が
ジェットフォイル役をやらなければならないのであり、林先輩がその役を買って出てくれるからこそ、我々はこれからも永久にその喜びを享受できるのであろう。
先日も、チャック全開君からこのようなメールが携帯に来た。
「今、目の前で林さんがいる。結構勝ってるのにキレ気味なんだけど。」
その通りである。基本は皆、ストイックなプレイヤーなのである。しかし一歩筐体を離れたとしたら、いい年をしながらゲームをしていると世間から後ろ指を差される悲しい男達である事に変わりはないのである。
いずれにせよ、チャック全壊君、今後も要注意人物である事に間違いはない。かつては六本木のハウス・シーンを主食としていたこの男も、近い将来
CLUB SEGAでトランスを踊りだしてしまうかもしれない。
最後に、
海面を浮付きながら、ご機嫌に走行するジェットフォイルの雄姿にかえて、締めとさせていただこう。
とんでもない動画があったので追加しておきます。
という事で、今回の
私の履歴書~ファイター達の素顔~はチャック全壊君のドキュメンタリーでしたが、確実に彼はここにはコメントしてこないものと思われます。 むしろ携帯のメールでキレてくるかもしれません。