賢明なる読者諸兄、
ミッドランドなるものをご存知だろうか?Ritz Carltonを抱え、仰々しく存在する六本木のミッドタウンの事ではない。これぞ名古屋(オモテ)に存在する新名所なのである。そこには女子大生ともキャバ嬢とも見分けがつかないような若き女性達がわんさかおり、ブランド物のショッピングに勤しんでいるのである。風俗発祥の地と言われる所以なのか、本当に素人がお水系に見える。東京のセンスとも大阪のセンスとも違い独自の発展を遂げた名古屋カルチャーは、まさに摩訶不思議アドベンチャー、存分にエキサイティングな夜を予感させる街であった。
名古屋は通過する事はあれど、こうやって降り立つのは初めてである。
待ち合わせに使われるのは、ナナちゃん人形の右足だか左足なんて発想は2世代以上前の話だ。髪の毛をクルンクルンに巻いたセレブ達は、高島屋の金時計の下に待ち合わせる。
必然的に語尾がみゃ~となってしまった私は早速ご当地名物とされるミソカツを食べた。美味しい揚げたてのカツに
ほんのりと甘さのある濃厚なミソをたっぷりとかけ、いただいた。「こりゃ、うみゃ~」とこれまた言霊の如く必然的に言葉が出てきたのであるが、いかんせん甘いものをカツにかけて食べて旨いはずもなく、早々にソースをもらい味噌に上書きをしてしまった。以前に南仏の家庭でステーキをご馳走になった時に、問答無用でその日はチョコレートソースだった時の絶望感を思い出した。調子にのってそれじゃあ
エビふりゃーもいっちゃいますか、等と悪ノリをする私達は冷ややかな目線を送られ、早々に店を追い出された。
当初の予定から少し遅れ、7時頃に名古屋駅で解放された私は、林ジェッフォ先輩の言付け通りに、名古屋駅からタクシーに単身乗り込んだ。事前にだいたいの地理を把握していた私は得意気だった。
「カミオオツのマンショウジまで。」
「はぁ?」
はぁ?じゃねーよ、こちとら地図で見てるんでぃ、上大津の万松寺だよ、と再度繰り返す。
「よくわかんないんだけどねぇ、それどこのマンション?」
もうこいつは駄目だ、駄目な星の下できっとタクシーを運転してるんだろう。一万の万に松やにの松、と漢字まで説明してやる。
「あのねぇ、それはバンショウジ。しかもそれは上前津や。オオツなんて地名は名古屋にゃありません。お客さん、もう一ついい事教えておきましょ、そこいらはな、
大須って言いますんや。そうや、
大須晶がいる所や!!!!」
私は見知らぬ土地で我が物顔で振舞っていた自分に心から恥じた。車の中では広島vs巨人の中継が丁度行われていた。
「お客さん東京からでしょ?今日も巨人ボロ勝ちや。」
これは巨人を批判しているのだろうか?私はなんとコメントしておけばいいのか。対戦相手は確かに
中日ドラゴンズではない。どうでもいいのではないのか?それとも「巨人が負ければよい」というタイガース気質なのか。答えに詰った私は「いやぁ私は東京ですが巨人ファンではありません。特に野球に興味はないんですが、今日は負けて欲しいですね」という
煮ても喰えないような最低の返事をしたところ、
「今日は素直に勝っとればええ。」
等というアウェイ感たっぷりの、緊張感溢れる会話をしているとなにやら賑やかな場所に下ろされる。四方八方にアーケード街が無限に続いているように見える場所に目的のゲーセンは存在した。
アーバンスクエア・大須のなんともスタイリッシュな横文字を早々に発見。
こ、ここがかの有名な大須晶等を初めとする有名プレイヤーを輩出してきた由緒あるゲーセンかっ!!!
早速乗り込むと・・・・・・・そこに待っていたのは賢明なる読者諸兄からのサプライズ・インパクトでも地元プレイヤー達の血気盛んな洗礼でもなく、、、
まさかの
一人KOTでした。
しかしながら粘る事30分、ようやく人が集まりだし、見慣れないプレイヤー達を相手にガンガン対戦する事になりました。
結果、8段のリオンに目を付けられ、度重なる対戦の末に6段に降格。すかさず6段アイリーン(サブキャラ)に目を付けられ、ゲージ赤まで追い詰められることに。
称号も何人かいたのですが、名古屋でのプレイスタイルは2~3回やって帰るのがイキなのか、どのプレイヤーも2~30分で帰っていきました。
動画はたまたま勝っていますが、このキャラには思いっきり苦しめられました。
終電の10時に間に合うよう、9時半には退散したのですが、アッという間に時間は過ぎました。そして得たものは
降格と赤ゲージ。夜は食べていなかったので腹ペコになりながら、帰りに名古屋コーチン弁当を駅で買おうとするともう
売り切れ。泣く泣く立ち食いのきし麺を食べようとするともう
閉店。ミソカツの悪口を言ったのがいけなかったのか。それともタクシーの運ちゃんとの会話がまずかったのか。泣きながらチップスターをバリバリと食べながら新幹線に乗り、帰京したのでした。
追記:
今回のエントリーは特にオチはないと思っていたんですが、 しっかりとありました。
面白山さん、終電を逃す事を恐れるあまり、最後の最後で
アーバンスクエア大須に鷹嵐のカードを置いてきてしまった模様。
いやぁ名古屋、恐るべし。